憂鬱メロン

音楽とサッカーが好きです。備忘録。

便利な時代とインスタント・ミュージック

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

めちゃくちゃ放置していたブログですが、去年は思ったことを文章にしておくっていうことが大事だなあと感じた一年だったので更新したいと思います。

 

今回は、Apple MusicやSpotifyなどの音楽を定額で聴くことができるサービスに関して書きたいと思います。

他でもない自分が一年間Apple Musicを使用して感じたことなのですが、これらのサービスは本当に手軽で且つ便利。私も例年では考えられないような量の楽曲に触れることができました。具体的に数字に表すと、アルバム単位では2017年リリースの作品を90作品に耳を通すことができ、沢山の良き音楽との良き出会いがありました。

もっと多くの音楽を聴かれた人がこのインターネットの大海には大勢いらっしゃることは重々承知ですが、自分としてはこれだけの数(種類)の音楽を聴けたことは完全に人生初であり、去年の年末にリストアップをした時は軽く感動すらしました…

それだけこれらの音楽サービスは自分にとって革新的な変化をもたらしてくれました。特に便利だったのが、SNS等で音楽好きの方々がオススメしている楽曲をその場でさくっと検索&気に入ったらダウンロードできるということです。今までの人生で自分の何倍、何十倍、何百倍の音楽に触れてきたであろう諸先輩がたのおかげで、大のお気に入りとなった楽曲・ミュージシャンはこの一年で大きく増えました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

ここで急に表題の件に戻ってくるのですが、良いことばかりではないのかな?と思うことも多々ありました。

便利な機能の弊害とも言えるのですが、一曲聴くのにかかる色々なコスト・経験(CD代や時間など)がゼロに近いものとなったことで、楽曲やミュージシャンに対する評価がインスタントなものとなってしまうことを感じました。よく言えば、楽曲そのものを評価していることにはなるのでしょうが、そのミュージシャンが持つバックグラウンドやその時の自分の置かれている環境などを度外視して、音楽を線ではなく点で評価することに常に違和感を感じていました。

以前は、テレビやラジオといったメディアで先行配信される楽曲を聴いて新譜への期待を膨らませたり、音楽雑誌のインタビュー記事やネットに転がっている情報をかき集めてミュージシャンについて調べることが当たり前だった(というか選択肢があまりなかった)と思いますが、現代では曲から曲へジャンプするだけで自分の好みの楽曲やミュージシャンに出会えます。

音楽との付き合い方が大きく変わっている時代の中にいると感じますし、この流れはもう全世界的なものなので、これからますますインスタントな楽しみ方が主流となっていくと思います。こんな文章を書いておきながら、私もこの便利な音楽配信サービスを自分の生活から切り離そうとは思えません(笑)

ただ、サン・テグジュペリの『星の王子さま』の中では、

上記のような一節があります。私としてはこのような考え方を無くさないようにしたいとも強く思います。

去年、Syrup16gというバンドが新譜を出したのですが、その音源がApple Musicで聴けなかった関係で、私は久しぶりに電車に乗ってCDを買いに出かけました。ネット通販ではなく、直接買いに行こうと思ったのが何故かは分かりませんが、きっと自分の中で「わざわざ買いに行く」という経験を欲していたのだと思います。コト消費とかいう言葉も流行っていますが、CDを買った帰り道では、久しぶりに「早く家に帰って聴きたい!」というワクワク感を得ることができました。このように、これから自分がCDなどを買うときには、音源を買うという意味合いだけではなく、一つの体験を買うという意味合いが強くなっていくのでしょう。

長くなりましたが、今年はこの気持ちを大切にして、昨年よりじっくりと腰を据えて一つ一つの楽曲に向き合えたらいいと思います。繰り返しになりますが、本年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

 


インスタントミュージック/the pillows